2022.02.03
「高齢者安全入浴の日」と言う日は、きちんと日本記念日協会に登録されている記念日です。
冬場になると入浴事故がどうしても増える。事故の多くは高齢者である。
高齢者の入浴事故死は、交通事故よりも多いことはご存じだろうか?
この記念日を機会に、安全な入浴法を意識していただきたい。
竜王ラドン温泉を開業して43年になるが、当初は山梨県老齢人口数のお客様を年に3倍以上を集客していた。
県内のお年寄り全てが最低でも3回以上、つまり健康な老人の方が年間6回以上は普通に来湯していた温泉であった。
この間、幸いにも死亡事故は1度も起きていない。
滑る泉質故、滑って転んだとか、湯あたりとかで救急搬送はあったが大事には至らなかった。
健康寿命とは介護や人の助けを借りずに普段の生活の動作が1人ででき、健康的な日常が送れる期間のこととされている。
健康的に生活できる期間を示す「健康寿命」は、2016年、女性では愛知県で76.32歳、男性では山梨県で73.21歳でした。
週に7回以上入浴する高齢者は週0~2回の人に比べて、約3割、要介護認定のリスクが減少。
つまり週7回以上入浴すると要介護のリスクが30%減る事実。
このような結果が得られる理由は、入浴によって血流がよくなるからだと考えます。
体と脳に酸素や栄養が行きわたることで、身体的にも脳機能的にも健やかさが保たれ、リフレッシュするという心理的な作用も脳によい刺激を与えていると推察されます。
■人生125才も夢ではない!ですが、入浴回数を増やすと自ずと事故も増えてしまいます。
そこで、健康寿命を延ばしながら「みんなで防ごう高齢者の事故」を一緒に周知していきましょう。
高齢者の事故:窒息・転倒転落・入浴事故があります。
窒息:「誤嚥等の不慮の窒息」による事故は、高齢者の「不慮の事故」の中で最も死亡者数が多く、このうち約半数を「気道閉塞を生じた食品の誤嚥」が占めています。
転倒・転落::高齢者の「不慮の事故」のうち、「転倒・転落」によるものは「死亡者数」、「救急搬送者数」ともに多く、毎年継続的に発生。
高齢者の転倒・転落は骨折や頭部外傷等の重大な障害を招き、これが原因で介護が必要な状態になることもあります。
これら事故は本人だけではなく、ご家族や親戚の方、近隣、地域の方など高齢者の身近にいる方々が意識することで防ぐことができます。
入浴事故:温浴施設内外を問わず、入浴中の事故は、持病がない場合、前兆がない場合でも発生するおそれがあります。
入浴に関わる死亡者数は年間およそ1万9000人で、これは交通事故死亡者数の約4倍にあたる。
そのうち家庭での溺死者数は2018年で5398人にも上り、このうちの9割が高齢者だとされています。
入浴は意外にリスクがあるのです。
高齢者の方本人が注意するとともに、家族の方など周りの方も一緒になって事故防止を行うことが大切です。
入浴中の事故を防止するために、特に以下の点について確認しておきましょう。
(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖めよう。
(2)湯温は41度以下、湯につかる時間は10分を目安。
(3)浴槽から急に立ち上がらない。
(4)食後すぐの入浴、飲酒後泥酔状態時の入浴は×。
(5)精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険。
(6)入浴する前に同居者に一声掛けてから、特に夜間の単独入浴は避ける。
以上です。
毎年2月4日の高齢者安全入浴の日に、こうしたことを再点検し、安全にお風呂に入り健康になってほしいです。
♨元祖・吸う温泉♨
(ライター)専門家《湯治のプロ》早川善輝