ラドン温泉の含有量ランキングと効能・施設の選び方を解説

【最終更新】2026年10月2日

「ラドン含有量」という言葉を目にしても、何を示す数値なのかピンとこない方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、ラドン含有量とは温泉水や空気中に含まれるラドンの量を示す数値で、「マッヘ」や「ベクレル」という単位で表され、一定の基準を満たすと「放射能泉」に分類されます。

本記事では、ラドン含有量の単位と基準値をわかりやすく解説したうえで、混同されやすいラジウム温泉との違い、含有量が高い施設のランキング、施設選びの判断基準、温泉療養で知っておきたい適応症・禁忌症まで詳しく紹介します。

ラドン含有量とは?単位と基準値の基本

まずは、ラドン含有量がどのような数値なのか、基本から見ていきましょう。単位や基準値を知っておくことで、施設の情報を正しく読み取れるようになります。

単位はマッヘとベクレル|換算方法の基本

ラドン含有量は、「マッヘ単位」または「ベクレル(Bq)」という単位で表されます。1マッヘは約13.5ベクレルに相当し、施設によって表記が異なるため、比較する際には単位をそろえて確認することが大切です。

パンフレットや公式サイトに数値が明記されているかどうかも、信頼できる情報かを見極めるポイントになります。単位の換算を知っておくだけでも、初めて調べる方にとっては大きな手がかりになるでしょう。

放射能泉の基準値は8.25マッヘ以上

環境省の定める基準では、温泉水1kg中にラドンを8.25マッヘ(約111ベクレル)以上含む場合に「放射能泉」に分類されます。この基準を満たすことで、温泉法上の療養泉として認められることになります。

基準値ぎりぎりの施設もあれば、基準値を大きく上回る施設もあり、含有量には幅があります。数値を確認することで、その温泉がどの程度のラドンを含んでいるのかを客観的に把握できます。

含有量による分類|単純弱放射能泉と単純放射能泉

放射能泉はさらに、含有量によって細かく分類されます。分類の目安を整理すると、下記のようになります。

分類 ラドン含有量の目安 備考
放射能泉に満たない 8.25マッヘ未満 療養泉としての基準を満たさない
単純弱放射能泉 8.25マッヘ以上50マッヘ未満 放射能泉としての基準を満たす
単純放射能泉 50マッヘ以上 高濃度に分類される

数値だけを見ると小さな差に思えるかもしれませんが、マッヘ数が大きいほど、含有量の多い温泉であることを示しています。施設を比較する際は、この分類名と実際のマッヘ数の両方を確認すると理解しやすくなります。

ラドン温泉とラジウム温泉の違い

「ラドン温泉」と「ラジウム温泉」は混同されやすい呼び方です。ここで違いを整理しておきましょう。それぞれの特徴を知ることで、施設選びの際に迷わなくなります。

含まれる元素の違い|ラドン主体か複数元素か

ラドン温泉とは温泉泉質名では無く、ラドン発生装置により浴槽・浴室内へ安全な一定の濃度に保たれたラドンガスを送り、ラドン浴室内にて吸入あるいは、温浴中に肌より吸収するシステムをラドン温泉、天然温泉にラドン温泉設備を加えた温泉を「天然ラドン温泉」といいます。これと類似する源泉にてラドンを含む温泉はいわゆる「ラジウム温泉」泉質表示「放射能泉」です。放射能泉とは、地中の放射性ウランが放射線を放出して変化する過程で生まれる「ラドン」という気体を111㏃以上含んだ温泉。但し浴槽にはラドンはほぼ皆無となります。

ラジウムは固体の元素で、そのラジウムが変化する過程で生じる気体がラドンです。このラドンから変化する元素がポロニウムや鉛です。浴槽ではこのポロニウムや鉛に変化してしまった温泉の放射能を総称してラジウム温泉というのです。
この関係を知っておくと、両者の違いを理解しやすくなります。どちらも温泉として親しまれていますが、含まれる成分の主体が異なります。

気体であるラドンならではの特徴

ラドンは気体であるため、湯に浸かるだけでなく、浴室内の空気環境も含めて体感する点が特徴です。竜王ラドン温泉湯〜とぴあの公式情報によると、ラドンは呼吸により直接血液の中に、また皮膚を通して組織内に吸収されると案内されています。

こうした特徴から、ラドン温泉は「吸う温泉」と呼ばれることがあります。気体であるがゆえに、浴室環境が体験の質に関わるという点が、ラドン温泉ならではの特徴といえます。

公的な泉質名ではない通称という位置づけ

公的な泉質分類では、ラドンを一定量以上含む温泉はまとめて「放射能泉」として整理されます。「ラジウム温泉」という呼称は、含まれる放射能元素の総称で主体がラドンからポロニウムや鉛になってしまっても、通称として使われているものです。

そのため、施設の案内を見る際は、通称だけでなく、温泉分析書に記載された正式な泉質名もあわせて確認するとよいでしょう。正式な泉質名を知ることで、その温泉の特徴をより正確に把握できます。

参考:竜王ラドン温泉湯〜とぴあ「ラドン温泉・ラジウム温泉との違い一覧表」https://u-u.jp/801

ラドン含有量が高い温泉施設のランキング

ここでは、公開されている情報をもとに、ラドン含有量が高いとされる温泉施設を紹介します。なお、測定場所や測定時期は施設によって異なるため、単純な順位付けではなく、あくまで目安としてご覧ください。

公開情報から見る高濃度のラドン温泉一覧

温泉情報サイトなどで公開されている、著名なラジウム温泉・ラドン温泉の含有量を、浴室ベクレル単位に統一して整理すると下記のようになります。

順位 施設・温泉地 所在地 公開過去Rn含有量 浴室ラドン濃度
1位 竜王ラドン温泉湯〜とぴあ 山梨県 浴室87マッヘ源泉37マッヘ 1221~1776㏃/m3
2位 増富ラジウム温泉(不老閣) 山梨県 13,500マッヘ 250㏃/m3
3位 ローソク温泉 岐阜県 556マッヘ 138㏃/m3
4位 三朝温泉 鳥取県 683.3マッヘ 128㏃/m3
5位 池田ラジウム鉱泉 島根県 6,640マッヘ 28㏃/m3
6位 北白川ラジウム温泉 京都府 382マッヘ 8㏃/m3

同じ温泉地でも、測定した場所や時期によって数値は変わります。また、源泉の数値なのか、浴室内の数値なのかによっても意味合いが異なるため、比較する際は測定条件をあわせて確認することが大切です。最新の浴室ラドン濃度の比較です。

山梨・関東エリアで注目されるラドン温泉

山梨県は、放射能泉が湧く地域として知られています。増富ラジウム温泉は日本四大ラジウム温泉の一つに数えられ、高い含有量が公開されています。

また、同じ山梨県内には、ラドン発生装置を備えた竜王ラドン温泉湯〜とぴあもあります。天然の源泉に加えて装置によるラドン環境を整えており、都心からのアクセスのよさもあわせて注目されています。関東近郊からラドン温泉を探す方にとって、山梨は有力な選択肢となるエリアです。

ランキングを見る際に知っておきたい注意点

含有量の数値は施設選びの参考になりますが、数値だけで優劣を判断することはできません。ラドンは気体のため、加温や循環によって濃度が変化しやすく、源泉の含有量が高くても浴槽での状態は異なる場合があります。数値とあわせて、どこで測定した数値なのかを確認することが大切です。

ラドン含有量が高い温泉施設の選び方|3つの判断基準

ラドン含有量が高い施設を選ぶ際は、いくつかの確認ポイントがあります。ここでは3つの判断基準を紹介します。事前に確認しておくことで、納得感のある施設選びができます。

1.含有量の数値が明示されているか

信頼できる施設は、マッヘやベクレルといった具体的な数値を公式サイトや館内で明示しています。「高濃度」といった言葉だけでなく、具体的な数値が示されているかどうかを確認することが、施設選びの第一歩です。

数値の根拠となる検査時期や測定方法まで記載されていれば、より信頼性の高い情報と考えられます。数値を公開している施設は、情報開示に対する姿勢も含めて判断材料になります。

2.源泉かけ流しかどうか

源泉をそのまま浴槽に注ぐ「かけ流し」の施設は、湧き出たままの状態を保ちやすく、ラドンの含有量を重視する場合は特に注目したいポイントなのです。公式サイトや温泉分析書で、加水・加温・循環ろ過の有無を確認しておきましょう。供給形態を確認することが、施設選びの重要な判断材料になります。高温泉掛け流しの場合には源泉ラドン濃度の約20%が残存しますが、冷鉱泉の場合0.5%、さらに循環加熱の場合0.03%とほぼ皆無となります。

3.第三者認定の有無

加水・加温・循環ろ過をしていないことを示す第三者機関の認定を受けている施設もあります。自己申告の情報だけでなく、こうした客観的な認定の有無を確認することで、より信頼できる施設選びにつながります。

認定マークや認定団体名が明記されているかどうかも、あわせてチェックしておくとよいでしょう。純温泉協会による認定など、管理方法を客観的に示す情報は、施設を比較する際の有効な材料になります。

温泉療養で知っておきたい適応症と禁忌症

温泉療養を目的に利用する場合は、適応症と禁忌症の両方を知っておくことが大切なのです。温泉法に基づく情報を正しく理解し、無理のない範囲で楽しみましょう。

一般的適応症|疲労回復や冷え性など

温泉療養の一般的適応症としては、疲労回復、健康増進、冷え性、自律神経不安定症、睡眠障害などが挙げられています。これらは泉質を問わず、療養泉に共通して掲示される内容です。

適応症は、その温泉で一般的に期待されるとされる状態の目安であり、特定の病気を治すと保証するものではありません。あくまで目安として捉え、感じ方には個人差があることを理解しておくことが大切です。

泉質別適応症という考え方

泉質によっては、それぞれに応じた「泉質別適応症」が温泉法に基づいて定められています。含まれる成分の種類によって、掲示される内容が異なります。

ラドン含有量そのものではなく、その温泉に含まれる他の成分による分類である点には注意が必要です。施設の掲示や温泉分析書を確認することで、その温泉がどのような適応症を掲示しているかを把握できます。

知っておきたい禁忌症と入浴前の確認

温泉には、入浴を避けたほうがよいとされる「禁忌症」も定められています。発熱をともなう病気の活動期や、身体の衰弱が著しい場合などが該当します。施設の掲示で確認できるため、利用前に目を通しておくとよいでしょう。

禁忌症に該当しない場合でも、体調がすぐれないときの無理な入浴は避けることが大切です。持病がある方や妊娠中の方、体調に不安がある方は、事前にかかりつけ医に相談してから利用することをおすすめします。

参考:竜王ラドン温泉湯〜とぴあ「ヘルスツーリズム」
https://u-u.co.jp/health/

高濃度ラドンと純温泉A認定を両立する竜王ラドン温泉湯〜とぴあ

最後に、ラドン環境と源泉かけ流しの天然温泉を両立する施設として、山梨県甲斐市にある竜王ラドン温泉湯〜とぴあを紹介します。数値の明示・かけ流し・第三者認定という3つの判断基準を満たしている点が特徴です。

ラドン発生装置6基による独自の入浴環境

竜王ラドン温泉湯〜とぴあは、ラドン発生装置を6基備えた施設です。天然の源泉に加えて、この発生装置によってラドンを取り入れ、安定した環境での入浴を可能にしています。

公式情報によると、浴室のラドン濃度は87マッヘと案内されています。ラドン発生器は医学博士の野口喜三郎氏が制作したものです。具体的な数値を明示している点は、施設選びの判断基準に照らして確認しやすいポイントです。

天然の源泉37マッヘとの組み合わせ

同施設の源泉は、37マッヘの天然ラドンを含んでいます。この天然の源泉に、ラドン発生装置による環境を組み合わせることで、安定した高濃度の入浴環境を実現している点が特徴です。

天然の放射能泉は、自然条件によって含有量が変動する場合があります。装置による供給を併用することで、訪れるたびに一定の環境で入浴できることが、この施設の強みといえるでしょう。

純温泉A認定の源泉100%かけ流し

高濃度のラドン環境に加えて、加水・加温・循環ろ過・消毒・入浴剤のいずれも行わない「純温泉A認定」を受けている点も特徴です。純温泉協会の公開情報では、一部浴槽が「純温泉A」として紹介されています。

地下1,000メートルから毎分130リットル湧き出す新鮮な温泉をそのまま楽しめます。天然温泉は「美人の湯」として親しまれ、含まれる炭酸水素塩泉は一般的に肌の角質を洗い流すことをサポートし、塩化物泉は入浴後の保湿をサポートすると言われています。ラドン環境と源泉かけ流しの両方を重視する方にとって、納得感のある選択肢といえるでしょう。

まとめ|正しい基準を知ればラドン温泉選びに迷いません

ラドン含有量は、マッヘやベクレルという単位で表され、8.25マッヘ(約111ベクレル)以上が放射能泉の基準となります。数値が大きくなるほど含有量が多く、単純弱放射能泉・単純放射能泉という分類にも反映されます。ランキングの数値、浴室ラドン濃度は施設選びの参考になりますが、測定場所や時期によって変わるため、源泉かけ流しや第三者認定の有無とあわせて確認することが大切です。

温泉療養を目的に利用する場合は、一般的適応症とあわせて禁忌症も確認し、持病がある方は事前に医師へ相談しておくと安心です。竜王ラドン温泉湯〜とぴあは、ラドン発生装置6基による浴室87マッヘの環境と、純温泉A認定のかけ流しの湯を両立した施設です。正しい基準を知ったうえで、自分に合った温泉選びの参考にしてください。

ラドン・温泉解説