第2章 処分すること
上手でない人が
絶対にできないこと
T損失の確定
相場でも何であっても「損切り」は大切な行為である。なにも恥ずべき行為では絶対にない。これができない人が損を重ねていく。土地を例にとって、ある人が坪1000万の土地を購入した。その土地が800万になったので銀行より追加担保を要求され、その人は追加担保入れる余裕が無かったためその土地を800万で処分した。その後その土地は坪100万まで下がってしまった。この人は坪200万の損失を確定したのだが、反面損失の3倍以上の700万円もの損失回避・利益を得たのと同様である。
『損失の確定』は投資にとって非常に大事な行為である。タイムリーに処分することが必要とされる。なのに、国・銀行関係者は誰一人としておこなってはいない。
U現代社会の日本的体質
「官僚的事勿れ主義」これが10年も先延ばしにし今もって先延ばししか知らず、ここまで被害を拡大していった最大の原因であろう。誰もが銀行の保有する担保物件価値が下がるのは知っていたが、それが出来なかった。
まだモラルは別として消費者金融の方が利口である。仕手筋担保玉無断売却。
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V銀行の不良資産
公表数値はどの銀行でも大差がないので割愛する推定額を含めた数値は (億円)
あさひ
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12000
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▲1.8ポイント
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東海
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12000
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▲2.4ポイント
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三和
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21000
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▲2.6ポイント
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大和
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9000
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▲0.3ポイント
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住友
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25000
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▲0.8ポイント
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富士
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43000
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▲2.7ポイント
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東京三
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15000
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▲0.3ポイント
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さくら
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35000
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▲2.1ポイント
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第一勧
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24000
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▲1.8ポイント
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日債銀
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25000
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長銀
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23000
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日興
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11000
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97年度末の推定値だが現在ではもっと膨らんでいるはずである。黄色ポイントは同時期以降の中小企業向け貸し出し比率である。
富士が大本営である。さくらは河口湖畔に富士山をバックに咲いている「桜」くらいであろう。時期になればそよ風程度で散って?富士と同様に高さを競った白根山、銀行では長銀・日債銀であろう。まだ国が支える体力があるうちに保証させて幕がおりた。それは預金しているお偉いさんへの配慮だろう。これら山一の時でもそうだったが、何故社債までが保証されたのであろうか。誰かCBをしこたま保有していた官僚さんがいたんでしょうね。預金以外の保証も非常に問題は残る。
W粉飾決算
評価方法、金額の不明確さ、原価法などを適応しいろいろ合法的に不良資産隠しはおこなわれている。いくら公的資金を自己資本として注入しても焼け石に水。そのまま不動産を引き続き所有しているならば一向に不良資産処理になっていない。
X潰すわけがない
「四大証券の一つだから社会的影響力が大きすぎる。だからうちを潰すわけがない絶対に国は救ってくれる。」という超〜ばかげた、ちょー甘えた危機対応能力である。これは日本独特の封建社会からひきづっている殿と家来関係の名残であろう。絶対に殿は私を見殺しにはしないという。建設業界の談合問題からわかるように、未だ日本は封建社会経済なのだろうか?
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